第四話 認知症とその様々な病状
これまで見てきましたとうり、認知症は家庭に社会に深刻は影響を及ぼしていることが判ります。
ここで、これまでに知られているその病状について述べます。
認知症には、主なものとして、以下の4つがあります。
2、脳血管型認知症
4、前頭側頭型認知症
これら全体の60パーセントが、アルツハイマー型認知症で、約20パーセントが脳血管型認知症によるものとされています。
脳全体の萎縮が始まっています。女性に多く、徐々に進行します。
代表的な病状は物忘れです。
普通では、人と出会う約束を忘れていた場合、「ごめん! 忘れていた。」になりますが、この認知症の方は、約束をしたこと自体を忘れてしまい、そんな約束をした覚えがないとなり、一般的な物忘れとは違います。
今日の日付が判らなくなったり、アナログ時計が読めなくなったり、進行すればデジタル時計も読めなくなります。
家の中でもトイレの位置がわからなくなったり、良く行く買い物先でも迷子になったりします。
盗られたと家族を責める「物盗られ妄想」、「徘徊」
お風呂に入らないなどの「介護拒否」
家族の顔が判らなくなったり、鏡に映った自分の顔が判らず、「怖い顔をした人がこちらを見ている」とそれに対して怒ったりもします。
〇 脳血管型認知症
アルツハイマー型認知症に次いで患者が多く、男性の方が多く発症しています。
良くなったり悪くなったりを繰り返し進行します。
脳梗塞、脳出血などにより起こっています。その起こった場所により症状も異なります。
後頭部の血流が少なくなる。
認知症の5人に一人、国内92万人。
めまい、うつ、失神、小股歩行、大きな寝言
幻視,幻覚、幻聴。そのため、家の中に「虫や蛇」が居るのが見えます。
また、「知らない人」が家の中にいて、その相手と会話していることもあります。
〇 前頭側頭型認知症
前頭葉と側頭葉の萎縮により起こります。
若年性認知症など若い人でも発症します。
同じ行動を繰り返します。同じ言葉や行動を繰り返します。
食欲が異常に旺盛になったり、集中力や自発性がなくなります。
反社会的な行動が見られます。
物を盗ったりする行為も、本人が悪い事だとは理解できていません。
以上、認知症の症状について少し述べました。
すべて常識を逸した異常な日常です。
ご家族の中に一人でも認知症の方がおられれば、平和な家庭は崩壊してしまいます。